横浜市都筑区の自然素材のリホーム・新築などの建築から、家具製作・ものづくりのレンタルスペースまで家造りとものづくりをトータルサポートするお店です

         


建築・ものづくりのことから人生論まで(?)私の意見をつらつらと掲載しております。

一般のお客さまは建築に関していろいろと分からないこともあろうかと思います
プロ職人の観点からお話していきたいとおもいます。

日本の建築
〜「いい家とは何か」を求めての旅記録〜
奈良の建築
京都の建築
鎌倉の建築
白川郷の建築
日本の古い町並み

奈良の建築
奈良といえば世界最古の木造建築として世界遺産に登録されている法隆寺をはじめ、仏教木造建築の原点が残されている素晴らしい場所です。

法隆寺といえば「法隆寺には鬼がいる」と呼ばれた宮大工棟梁西岡常一さんの本は私の愛読書です。

西岡さんによれば仏教が初めて日本に入ってきて、布教のための気概が伝わってくる造りになっているそうです。

中国からの木造建築様式に習いつつ、「雨の多い日本で仏教の教えのごとく未来永劫にその姿を保つには」という難題に挑んだ建築といえるかもしれません。

西岡さんがおっしゃる様に薬師寺が「凍れる音楽」と例えられた優美さとは違う生真面目さというか固さがあるかもしれません。

軒の出幅もかなりのもので薬師寺と比べても相当ですね。(雲肘木という組み方で違いますしね)
法隆寺の五重塔は震度7の地震にも耐えられるように造られていることが分かっています。

現代建築では「屋根は軽くした方が地震に強い」とか言っていますが、全く逆です。

こちらは瓦屋根の上に更に「相輪」と呼ばれる金属製の3tもの重さの構造物を乗せて抑えています。

「心柱」と呼ばれる中心を貫く柱とその木の組み方が揺れる軟構造となっていますがこれが揺れを吸収するように造られています。

木造建築の最高峰ですね。すごいなあ!

こちらは薬師寺の新しい方の西塔です。
西岡さんが建てました。
現在は東塔の方も修復中のようです。

もちろん事業としては国の大掛かりなものなので大手建設会社が入ったそうです。

そこで現代建築工法を入れろという建設会社の方針とことごとく対立し、「鉄で補強しろ」というものを極力構造と関係ないところに施して(笑)建てたという話です。

建てたとき東塔と西塔の高さが違うじゃないかと言われたとき、「100年経ったら同じになる」と西岡さんは答えたとか。

そういえば私の高校の時の恩師である玉城先生も西岡さんのことを授業で話してくれました。
その頃は建築に携わるとは思わなかったですし全く知らなかったですけれど(どアホウだったですし 今も?)恩師出会えた運命に感謝です。
こちらは東塔です。
西岡さんによれば度重なる修復で原型とは少し変わってしまったそうです。

西塔はそういったことも踏まえて原型を復元されたそうです。

ちなみに法隆寺は高麗様式(朝鮮系)、薬師寺は西安からはいってきた中国式だそうです。

法隆寺が5重の塔なのに対してこちらは3重です。
大きい屋根の下の小さい屋根は裳層(もこし)というそうです。
雨から守るためと高い構造を引き締めるためのものだそうですよ。

2017年に行った時には修復がはじまっていて見れませんでした。
西岡さんみたいな立派な方がやってくれるといいなあ。
ちょっと残念なものも載せておきます。
こちらは東大寺大仏殿。

分かりづらいですが金属板での補強が痛々しいです。

きっと大手がやったのでしょう。
写真は撮りませんでしたが内部はもっとひどいです。

唐招提寺も明治時代に屋根をトラス構造に、近年の工事でも金物でがっちり補強しているようです。

西岡さんもこういう風にはしたくないと思ったと察しますが、日本の軟構造の建物に「揺れない、動かない」部分を造ったらどうなるか、想像できないのだろうか。
計算はしているそうですけれど浅はか過ぎる・・・
こちらは奈良で見かけた古いお宅です。
商人のお宅だったであろうことが屋根の形で分かります。

王者は天に近づく、という思想から生まれた反り屋根を許されなかった商人たちが屋根に緩やかなカーブを描くように下げたものが流行った時代がありました。

「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」ということで商人の心構えを表しているそうです。
こちらも奈良で見かけたお宅です。
増改築を上手くされていて一体感があり、古いものの雰囲気を崩さずに活かされてるところがいいなと思います。

きっと構造がしっかりしているからでしょうね。

奈良は寒いのでしょうけれどそんなに雪はおおくないのだろうと思います。

奈良のおすすめは柿の葉寿司ですね!
私は大好きです!行くたびに買って食べます。
でも添加物入ってないところをみつけてくださいね!